街の日

頭に浮かんだことを整理したりします。好きなもの、音楽、アニメ、映画など。

けいおん!を観ました。

 ブログを始めました。何か書きたいときに利用してみようかと思います。

 

 先の土曜・日曜に、高校時代の友人とアニメ「けいおん!」の一気鑑賞をしました。1期~2期~映画を通して41話+2時間、途中で休憩・睡眠をとりましたがちょうど24時間ほどかかりました。楽しかったものの、こういう挑戦は初めてだったのでけっこう疲れましたね。

 のんびりしていてお話の起伏は小さい一方で空気感やキャラクターの仕草などがとても丁寧に描かれている、という視聴前のイメージの通りの作品でした。後半は疲れもでて微妙に集中力に欠ける状態だったので、その丁寧さを存分に味わえたか、と思うと少しもったいなかったような気もします。しかしまあ、それはこの手の企画の醍醐味ではないだろうし、「けいおん!」はずっと観たいけどなかなか手が伸びないなあと思っていた作品なのでいい機会になりました。

 

 ちょっとネタバレなのですが、

 この作品には主人公の3年生4人が高校卒業後の進路に悩む場面があります。悩む、といってもそんなにシリアスなところではありませんが。そして結果として彼女たちはみんなで同じ大学に進むことに決める、というものでした。有名な作品ということもあり私は視聴前からこの展開は知っていて、なおかつこのことに不満を抱いた視聴者も中にはいた、ということもなんとなく耳にしていました。まあ、卒業といえばひとりひとり自分の道を選んで友との別れを迎える、というのが自然というか定番ですからね。

 では実際に見てみてどうだったかというと、個人的にはそんなに違和感のある展開だとは思いませんでした。主人公たちの別れが決定的でなくても、高校生活の終わり、高校生活と軽音部の繋がりの終わり、というのがとても綺麗なんですよね。軽音部の中の人間関係と同じくらい、軽音部と学校の人々との関係が素敵で、音楽には聴衆の存在が不可欠というのがとてもいい形で描かれていると思います(聴衆云々はどこかで読んだ文章の受け売りかもしれない)。

 個人的に純というキャラがすごく好きで、出番はそんなに多くないんですが、主人公の妹の友達というちょっと遠回りな線で彼女の所属するジャズ研に繋がる、という距離感が妙にいいです。またときどき出てくるクラスメイトたちも魅力的です。で、卒業によってこれらの関係性が終わってしまうんですよね。

 月並みですが、高校生活というのはある意味特別なんだなあと。僕自身は間違っても充実した高校生活を送ってきた人間とは言えないのですが、卒業から数年経ってそんな風に思いました。

 

 この作品は1~2年生編が1クール、3年生編が2クールと、終わりの方が長く丁寧に描かれています。成長のスピード感が印象的だった前者と比べて後者はむしろくだらない、何気ない日常で、けど、終わりに向かって着々と(見る人によってはもしかしたら冗長に)積み上げられているのが、青春だなあという感じがしました。

 ちなみに私が特に好きな作品に漫画「幽☆遊☆白書」があるのですが(趣味が偏っているので飛躍する)、この漫画では10巻以上に渡り死闘、名勝負の数々が描かれた後、一番スケールの大きな章が急にあっさりと終わり、最後の1巻で登場人物のその後が断片的に描かれこれまたあっさり完結するんですよね。リアルタイム世代ではないのでそういう方とは受け取り方が違うのかもしれませんが、この転がるようなあっけなさもまた青春だなと感じます。青春の速さは計り知れない。

 

 放送から数年が経った今「けいおん!」を観たいなと思ったきっかけが、同監督の作品「たまこまーけっと」「たまこラブストーリー」だったのですが、ここでもまた、「いつまでも続くといいね」なキラキラした日常の行き着く先が、「けいおん!」とは少し違った形で描かれます。劇場版を映画館で観たときの衝撃のあまり私にとって少し特別な作品です。春の「響け!ユーフォニアム」も最高でした。京都アニメーションの次回作が気になります。